連載ブログ : FREETELで格安スマホ生活を始めた

第一回 突然の知らせ

2016年4月22日

2015年、秋の出来事だった。
ソフトバンクの Pocket Wi-Fi C01HW で契約していた料金プラン終了と、機種変更を即す知らせが私の元へ郵送で届いた。
あまりにも突然だった。いや、今考えれば、それは必然だったのかもしれない。

毎月の料金、5千数百円。
日々の生活の中で、お互い、慣れっこになっていた。

最近の私は、自宅か事務所に居ることが、やたらと多い。
外での仕事がめっきり減ってしまったからだということは、伏せておかねばなるまい。
「金の切れ目が縁の切れ目」
そろそろこの辺りで、互いの関係を清算するべきか。
「解約するか」
私はそう、つぶやいていた。

指名変え

私の携帯電話は、いわゆる「ガラケー」だ。
ネット接続は Pocket WiFi、通話は「ガラケー」というスタイルを、ストイックに貫いてきた。
しかし、Pocket WiFiを捨てる以上、通信用のデバイスは、どうしても必要だった。

「そろそろスマホが欲しい」と思っていたのは隠しておかねばなるまい。

私はこれまで、Apple製品たちと良好な関係を築いてきた。
iPod Touch、MacBook、iPad mini、そして Mac mini。
次の選択肢として、当然のように iPhone があったのは、まぎれもない事実だ。
しかし私は、その考えをあっさりと捨てた。子供が、飽きてしまったおもちゃを簡単に捨てるように。

高かった。高すぎた。
実質端末代がゼロだとしても、月々の支払いに7千円も8千円も費やすほど、私は甘い男ではなかった。
なにより、そんな出費は妻が許してくれそうもなかった。

最近流行りの「格安SIM」。これなら Pocket WiFiよりも月々の支払いは安くなるのではないか。デザリング出来れば、Pocket WiFi代わりにもなるのではないか。
脳裏に浮かんだアイディア。キャバクラで指名変えする時のような背徳感。
「悪くない」
私は、そうつぶやいていた。

調査開始

まず私は、自分の利用環境と目的を整理することから始めた。
時間はまだたっぷりあった。仕事が暇だったからだ。「仕事が欲しい」という祈りにも似た気持ちを抑え、私は調査を開始した。

SIMに関しては「WiFi環境下に居ることが多い」という前提で考えてみた。
使ったとしても3Gぐらいまでで、それ以下の場合の通信料が安い方が良い。というところから通信業者を選べば、間違いなさそうだった。
次は端末選びだった。利用目的から、ベストな端末を選ぶ。それが私のやり方だ。

・メール、LINEなど、テキストメッセージのやりとり
・スポーツクラブでトレーニング中に音楽を聴く
・カーナビゲーションとして使う
・写真
・ゲームはやらない
・通話

私は簡単に他人を信用してしまうほど、もう純粋でも、若くもなかった。過去に起きたさまざまな出来事や事件が、私の心を用心深く変えてしまったからだ。
契約したスマホが期待通りの活躍をする保証はない。もしもの時のためにガラケーを温存しておく作戦を、私は選ぶことにした。
いずれにせよ、こういう使い方なら、それほど高いスペックの機種はいらない。かと言って、あまりに低いスペックでは、長く付き合う相棒としては不合格だ。

ネットは情報に溢れている。私は情報の波に溺れてしまわぬよう、慎重に調べを進めていった。
もっとも参考にしたサイトは、Googleで「MVNO」をキーワードに検索すると最初に出てくる、ここだった。

MVNOの格安SIMとスマホの比較情報サイト

「決断しない人間は 家畜にも劣る」とは、誰の言葉だったか。
他のサイトのレビュー記事と併せて、私の出した答えは「FREETEL」だった。

通話付きで月額999円から、使った分だけの料金プランは私の使い方に最適と思えた。おそらく月額2千円を楽に下回るはずだ。
そして、FREETELブランドのスマートフォン「SAMURAI MIYABI」は、2万円を切るボトムレンジの価格でありながらミドルレンジ端末と同等のスペックを持っていた。
「やるじゃないか」
そんな陳腐な台詞を、私はつぶやいていた。